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実験動物学研究室との共著論文が公開されました!

昨日、本学・実験動物学研究室の佐々木隼人先生を筆頭著者とする当研究室との共著論文が、国際科学誌PLOS ONEに公開されました!
タイトルは
「Protective function of the voltage-gated potassium channel Kv11.3 in a mouse model of cardiac ischemia/reperfusion injury」
(電位依存性カリウムチャネル Kv11.3 の心筋虚血再灌流障害における保護的機能)です。
心臓や神経などの「興奮性組織」では、電位依存性カリウムチャネル(Kvチャネル)が、細胞の電気的なリズムを整える重要な役割を担っています。
Kv11.3というサブタイプのチャネルは、これまで双極性障害(躁うつ病)との関連が報告されていましたが、心疾患との関連は未知でした。
本研究では、Kv11.3を欠損したマウス(Kv11.3 KOマウス)を用いて、心臓の虚血再灌流(I/R)という心筋梗塞モデルを再現したところ、
▶️ 死亡率や梗塞サイズが増加
▶️ 心電図で見られるQT間隔の変化が起こらない
▶️ 心拍変動に異常が生じる
といった興味深い結果が得られました。
さらに、Kv11.3チャネルを阻害する化合物(NS-1643)を投与した場合も、同様の心障害が再現されました。
このことから、Kv11.3は神経系を介して心筋をストレスから守る「守護者」的な役割を担っている可能性が示されました。
🔬 当研究室の貢献:構造解析でメカニズムに迫る!
本研究には、当毒性学研究室も参加しています!
おなじみの分子ドッキングや分子動力学シミュレーションなどのin silico構造解析で、Kv11.3チャネルの立体構造や作用メカニズムを評価し、実験データの裏付けを行いました。
この実験動物学研究室佐々木先生との共著論文、実は当研究室の構造科学的アプローチが本学の他研究室のウェット実験と融合した初の論文で非常に感慨深いです👏✨
🔭 今後に向けて
Kv11.3のように、神経と心臓の連携を担う新たな分子メカニズムの解明は、将来的な獣医療やヒトの心疾患研究にも大きく貢献すると期待されます。
これからも当研究室は「構造科学×獣医毒性学」で獣医学研究のフロンティアを切り拓いていきます!
ぜひ、論文もチェックしてみてください👇
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