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国際学会(Pacifichem 2021)で小笠原諸島野生動物の研究成果を発表しました
2021年12月16日~21日の間に開催された環太平洋国際化学会議(Pacifichem 2021)で、小笠原諸島の野生動物に対する殺鼠剤の感受性評価に関する研究成果を武田助教が発表しました。
Pacifichem 2021は日本、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、韓国、中国の7カ国の化学会が合同で開催する国際学会で、化学に関する幅広い内容の発表が行われています。
本当はハワイでの現地開催だったのですが、新型コロナ感染症対策のため完全オンラインでの開催となりました。日本の感染状況は落ち着きつつあったのでアメリカでお世話になったお爺ちゃん先生とも久しぶりに会えるかと思っていたのですが、やはり国際学会の開催はまだまだ難しいですね。。。
今回は、小笠原諸島で外来ネズミ駆除のために行われている殺鼠剤散布が現地の固有種に与える影響を分子生物学・シミュレーション手法で解析した研究成果を発表してきました。
小笠原諸島はアオウミガメ・アカガシラカラスバト・オガサワラオオコウモリといった独自の生態系が豊富であり、世界自然遺産にも登録されています。しかし、外来ネズミによる生態系の攪乱が問題となっており、殺鼠剤による駆除が行われています。これら殺鼠剤はネズミに有毒なだけでなく他の生物にも中毒を引き起こす可能性があるため、今回上記の野生動物に対する殺鼠剤の毒性評価を実施しました。
ポスターはこんな感じでした(実物はHD画質です)
本研究は北海道大学獣医学部・帯広畜産大学獣医学部・株式会社CIC・NPO法人エバーラスティング・ネイチャー・一般財団法人自然環境研究センター・NPO法人小笠原自然文化研究所との共同研究として実施しました。
Pacifichem 2021公式サイト
アカガシラカラスバトの写真
Totti - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=97100389による