研究業績
ACS Chemical Neuroscience 16, 15, 2812–2828 (2025)
A New Class of Vitamin K Analogues Containing the Side Chain of Retinoic Acid Have Enhanced Activity for Inducing Neuronal Differentiation
著者
Yoshihisa Hirota, Taiki Sato, Rina Watanabe, Kazuki Takeda, Sho Sano, Satoshi Asano, Yuki Shibahashi, Yumi Yasuda, Yuta Takagi, Yutaro Yamashita, Wu YuXin, Mikino Arakawa, Yuri Maitani, Vannessa Lawai, Kurumi Nakagawa, Natsuko Furukawa, Atsuko Takeuchi, Chisato Tode, Maya Kamao, Akimori Wada, Zainab Ngaini, Yoshitomo Suhara
カテゴリ
学術論文
Abstract
ビタミンKは主として血液凝固および骨代謝における役割で知られているが、近年、その生理活性型であるメナキノン-4(MK-4)を中心に、神経保護作用および神経分化への関与が示唆されている。本研究では、神経作用特性の向上を目的として、レチノイン酸を結合させた側鎖およびメチルエステル修飾を有する12種類のビタミンK化合物を合成した。これらのうち、化合物7は、優れた安定性、ステロイド・異物受容体(SXR)およびレチノイン酸受容体(RAR)を介した強い転写活性化作用、ならびにマウス神経前駆細胞における効率的な神経分化誘導能を示した。
作用機序解析により、ビタミンKが代謝型グルタミン酸受容体1(mGluR1)を活性化することが明らかとなった。さらに、ドッキングシミュレーションにより、化合物7はMK-4と比較してmGluR1に対するより高い結合親和性を有することが確認された。C57BL/6マウスを用いたin vivo薬物動態解析では、化合物7が血液脳関門を効率的に通過し、時間経過とともにMK-4へ代謝されることが示された。以上の結果から、化合物7は、独自の神経作用機序を介して神経変性疾患治療に応用し得る有望な候補化合物であることが示された。