研究業績
Biomedical Research 47, 1, 1 - 10 (2026)
Perfluorohexanesulfonic acid-induced inhibition of human palate cell proliferation through upregulation of miR-374a-5p
著者
Hiroki YOSHIOKA, Hanane HORITA, Kenichi OGATA, Kazuki TAKEDA, Hyogo HORIGUCHI, Yosuke TSUKIBOSHI
カテゴリ
学術論文
Abstract
パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、世界的に重大な健康リスクをもたらしている。パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)などの従来型PFASの使用は規制されているものの、代替PFASの毒性学的影響については依然として不明な点が多い。口蓋裂は、環境因子および遺伝因子の双方の影響を受ける先天性疾患である。PFOSと口蓋裂との関連性は報告されているが、その他のPFAS化合物の影響については十分に検討されていない。本研究では、従来型PFASおよび代替PFASであるパーフルオロヘキサン酸(PFHxA)とパーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)が、ヒト胚性口蓋間葉系細胞(HEPM)の増殖に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
PFASで48時間処置した後、細胞生存率、アポトーシス、および細胞周期関連タンパク質の発現を評価した。さらに、miRNA量および予測標的遺伝子の発現を測定し、miR-374a-5p阻害剤を用いてPFHxSに対するレスキュー実験を実施した。4種類のPFASのうち、PFHxSは細胞数を減少させ、サイクリンおよびサイクリン依存性キナーゼの発現低下を誘導した。また、PFHxS処置によりmiR-374a-5pの発現が上昇し、その下流遺伝子の発現が低下した。さらに、miR-374a-5p阻害剤は、PFHxSにより誘導された細胞増殖の低下を軽減した。
以上の結果から、miR-374a-5pはPFHxS誘発性口蓋裂の発生に重要な役割を担う可能性が示され、代替PFASがHEPM細胞に対して強い毒性影響を及ぼし得ることが示唆された。