研究業績
Scientific Reports 12, 19898 (2022)
Observation of hapten-induced sensitization responses for the development of a mouse skin sensitization test, including the elicitation phase
著者
Ryo Kamata*, Yukiko Okawa, Yuto Hamaguchi, Soma Tabata, Masanori Terasaki, & Kazuki Takeda
カテゴリ
学術論文
Abstract
【惹起相を含むマウス皮膚感作性試験法の開発に向けた、ハプテン誘発性感作応答の観察】
化学物質の皮膚感作性を、惹起反応を含めて検出できる唯一の公定試験法は、OECDテストガイドライン(TG)406である。しかし、本ガイドラインではモルモットを用いるため、試験手順が複雑である。特に皮膚感作の作用機序研究においては、簡便かつ包括的な皮膚感作性評価法が求められていることから、本研究では、皮膚感作性物質に対するマウスの反応性を検証した。
本研究では、被験物質を背部皮膚に1回感作曝露した後、耳介に3回の惹起曝露を行うプロトコル(Protocol 2)を設定した。さらに、その皮膚感作応答を、2週間ごとに耳介および背部皮膚へ計2回曝露するプロトコル(Protocol 1)、ならびに局所リンパ節試験(TG442B)の結果と比較した。
ハプテンである2,4-ジニトロフルオロベンゼンは、Protocol 1およびProtocol 2のいずれにおいても、耳介厚の有意な増加、皮膚炎症、および耳介リンパ節の腫大を引き起こした。これらの変化は、Protocol 2においてより顕著であった。また、Protocol 2では、血漿IgEおよびIgG1濃度、ならびに IL4、IFNγ、および perforin の遺伝子発現が有意に増加した。耳介リンパ節における細胞増殖は、TG442Bと同様に、両プロトコルで認められた。
以上の結果から、Protocol 2は、比較的簡便な皮膚感作性試験法として有望な候補となり得ることが示された。