研究業績

Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 100, 129642 (2024)
Exploring 2-methyl–substituted vitamin K3 derivatives with potent inhibitory activity against the 3CL protease of SARS-CoV-2

著者

Ryohto Koharazawa, Mayu Hayakawa, Kazuki Takeda, Kotone Miyazaki, Chisato Tode, Yoshihisa Hirota, Yoshitomo Suhara

カテゴリ

学術論文

Abstract

【新型コロナウイルスSARS-CoV-2の3CLプロテアーゼに対して強力な阻害活性を有する2-メチル置換ビタミンK₃誘導体の探索】 パンデミックの発生以降、さまざまな抗SARS-CoV-2薬が開発されてきた。なかでも、3CLプロテアーゼ(3C-like protease, 3CL^pro)は、ウイルス増殖に必須の酵素であり、ヒトには存在せずウイルスにのみ存在することから、魅力的な創薬標的である。これまでに、ニルマトレルビルやエンシトレルビルなどのSARS-CoV-2に対する3CL^pro阻害薬が、日本において経口薬として実用化されている。しかし、in vivoにおける吸収性や安定性などの課題から、SARS-CoV-2に対するより強力な治療薬の開発が依然として求められている。 近年、ビタミンK₃がSARS-CoV-2の3CL^proに対する阻害活性を示すことが報告され、その作用機序として、3CL^proの活性中心であるシステイン145のチオール基と、ビタミンK₃のC-3位との間に共有結合が形成される可能性が予測されている。そこで本研究では、ビタミンK₃の2-メチル基を種々の置換基へ系統的に変換した誘導体を合成し、SARS-CoV-2の3CL^proに対する阻害活性を評価した。 その結果、スルフィド構造を有する化合物は、ビタミンK₃と比較して約4倍高い阻害活性を示した。以上の結果は、ビタミンK₃およびその誘導体を基盤として、新たな3CL^pro阻害薬を創製できる可能性を示すものである。