研究業績
PLOS One (2025)
Protective function of the voltage-gated potassium channel Kv11.3 in a mouse model of cardiac ischemia/reperfusion injury
著者
Hayato Sasaki, Kazuki Otake, Kazuki Takeda, Karin Tesaki, Eiki Takahashi, Jumpei Yasuda, Shizukaze Matsuda, Ayumu Kawasaki, Masaki Watanabe, Kosuke Otani, Muneyoshi Okada, Masakazu Sekijima, Hideyuki Yamawaki, Nobuya Sasaki
カテゴリ
学術論文
Abstract
【マウス心虚血/再灌流障害モデルにおける電位依存性カリウムチャネルKv11.3の心保護機能】
電位依存性カリウム(Kv)チャネルは、神経や心筋などの興奮性組織における再分極に寄与し、活動電位の発火頻度および持続時間を制御している。そのため、Kvチャネルの機能障害は、神経疾患や不整脈を伴う心疾患を引き起こし得る。Kv11.3の機能障害は双極性障害との関連が知られているが、心疾患との関連を示した報告はない。Kv11.3ノックアウト(KO)マウスは行動異常を示すものの、心臓の異常は認められない。
本研究では、突然死を誘発し得る刺激に曝露した際にKv11.3 KOマウスと野生型マウスで応答が異なるかを明らかにするため、Kv11.3 KOマウスの心臓を用いて虚血/再灌流(I/R)実験を実施した。心I/R後、Kv11.3 KOマウスでは死亡率および梗塞サイズが増加した。野生型マウスでは心I/R後に補正QT間隔が短縮したのに対し、Kv11.3 KOマウスでは心拍変動の変化を伴いながらも、補正QT間隔はほぼ変化しなかった。これらの表現型は、心I/R後にKv11.3チャネルアンタゴニストであるNS-1643を高用量投与することにより再現された。
一方、ex vivo心I/R実験では、in vivo心I/R実験とは異なり、梗塞サイズに有意差は認められなかった。以上の結果から、Kv11.3は神経経路を介して心筋をI/R障害から保護することが示された。