「万物は毒であり毒でない物は存在しない。用量のみがそれを決める」

毒性学の父と呼ばれる錬金術師パラケルスス(1493 - 1541)の言葉です。

この言葉が示すようにあらゆる物質は摂取量により毒になり得るうえ、その量は個人/生物種により異なります。  

当毒性学研究室は特に環境汚染物質が引き起こすヒト・野生動物(哺乳類に加え鳥類や魚類も対象)への毒性影響を種々の実験手法を駆使して解明する「環境毒性学」研究を行っています。

Our Mission

2021年現在もマイクロプラスチックの海洋汚染などの環境汚染は深刻な問題であり、持続可能な開発目標:SDGsにも含まれる国際的な課題です。化学物質への感受性には大きな動物種差があり、同じ物質であっても動物種によってその毒性影響の程度は異なります。そして、これは時として環境汚染物質による野生動物の大量死 「ケミカルハザード」の原因となります。


私達は獣医学部の特色である複数の動物に対する知識と、コンピューターシミュレーション等の多彩な実験手法を組み合わせる事で、本来侵襲的な実験を行う事が困難な野生動物の化学物質感受性の評価環境汚染物質の毒性発現メカニズムの解明に挑戦しています。


このような野生動物の保全を対象とした研究、環境問題/SDGsの解決に研究から貢献したいという熱意を持っている方、是非私達にその力を貸してくれませんか?

研究内容

主な研究テーマ

・環境汚染物質の曝露試験と病理組織学的探索による毒性評価

・環境汚染物質・自然毒の新規毒性試験法の開発

・培養細胞を用いた希少種の毒性評価法の開発

・分子シミュレーション技術・機械学習による野生動物の毒性評価

・製薬/農薬企業との新薬開発・安全性評価・毒性試験に関する共同研究

・小笠原諸島の固有種に対する毒性評価